前回の(その-61)では、認知行動療法を適用する場合には、いつから始めるかを検討する必要があることを考えました。ご承知のように、認知行動療法は、自分の気持ち、心の中を自分自身のアタマで分析するという、とても、内省的なやり方ですので、まず第一に、自分の気持ちを見つめられる態勢が整っていなくては、認知行動療法を始めるわけにはいきません。良く間違われるのは、認知行動療法がいいからと言って、やみくもに、時期をかまわずに始めてしまうことがあります。そうすると、期待した効果が得られませんので、〖認知行動療法は、私には合わないんだ!!〗、ということになってしまいます。
では、どのような状態であれば、認知行動療法を始められるのか、ということになります。それは、(1)あまり、身体的な症状と、精神的な症状が強くない時、(2)頭が混乱していなくて、自分の内面を注意深くながめられる時、(3)セラピストの話しをしっかりと聴くことが出来る態勢が整った時、です。これらの条件が整わない時に、認知行動療法を始めてしまいますと、ご本人にとっては、大きな負担となって、いい結果がえられませんので、特に、注意が必要です。
このような条件が整ったら認知行動療法を始めますが、何よりもまず大事なことは、セラピストは、認知行動療法のやり方を、懇切丁寧に、クライアントさんや患者さんに、よく説明することが求められます。
認知行動療法は、もともと、精神分析の研究者でもあった、アーロン・ベツクによって開発された療法ですので、根底には、精神分析の思想があります。そういう点を踏まえて、クライアントさんに、やり方の思想を理解してもらうことがとても大切なことになります。
それでは次回では、具体的な進め方をご紹介していきましょう。








