前回の(その32)では、新しい職場に異動になったあなたが、仕事のことでわからないことがあるので、隣の同僚に教えてもらおうと質問した場面でした。そうしたら、『そんなことは自分で考えたらいいだろう』、とつっけんどんに応答されてしまいました。
さて、あなたはどのように考えて行動したらいいのでしょうか ?
前回も書きましたが、初めから、そういうふうに対応されることを想定しておけば、実際にその場面に出くわしても大きなストレスにはなりません。『ああ、やっぱり、予想していた通りになったな。これから後のことは、また、考え直そう』、と前向きな態度でいられます。
または、『そういう人もいるということが、よく分かった。これからは、気を付けて質問するようにしよう』、というふうに考えることもできます。
または、『そういう人もいるから、これからは、自分のことは自分できっちりとやるように努力していこう』、と前向きにとらえることもできます。
つまり、一つの出来事を、ストレスとして受け取るか、または、自分のこれからの知恵・知識として活かしていくかで、あなたのこれからの人生に大きな違いが出てきます。
これが、認知行動療法が狙っている効果なのです。言い換えますと、人生には、多種多様な出来事が起き得ますので、その時、その時に、適切に対応していくためには、自分の中に、対応するための選択肢をたくさん持っておくことが、ストレスを軽くするためには、大いに役立つということになります。
このやり方が、認知行動療法の目的でもあります。それでは、次回は、また別のケースを考えてみましょう。