前回の(その59)では、一つの例えとして、近所の奥さんと道ですれ違った時に、相手の奥さんが知らない顔をして通り過ぎてしまった、という場面を想定しました。この時に、あなたはこのことをどのように受け取るか、という問題でした。
いくつかの考え方が思いつくと思います。『一つ目』は、『あの奥さんは、私のことを無視して、気付いていたのに知らない顔をして通り過ぎて行った!!』、という受け取り方ですね。『二つ目』は、『こちらから見たら、相手の奥さんは自分のことを気が付いていたように見えたけれど、実際には気付いていなかった!!』、という受け取り方ですね。『三つ目』は、『相手の奥さんは、こちらの方を見ていたように見えたけれど、何か考え事をしていて、私のことには気付いてはいなかった!!』、という見方もありますね。さらには、『四つ目』としては、『これまでに、何か、相手の奥さんの気に障るようなことをしたのではないかな!!』、と思って悩むことも考えられますね。
一般的には、物事をいろいろと気にするタイプの人は、『一つ目』か、『四つ目』のように考えることが多いと思います。または、あまり物事を深く受け取らないタイプの人は、『二つ目』か、『三つ目』が多いでしょうね。問題は、いろいろと気にするタイプの人で、このようなことがストレスの原因となって、身体や心の不調を招いてしまうことがあります。そこで、認知行動療法ではどのようにこの問題に対処していくかを考えてみましょう。
まず考えるべきことは、自分が相手の人の心の中を、『必要以上に憶測していないか ? 』、という観点からこの状況を検討してみます。相手の人が自分を無視して通り過ぎてしまった、というのは事実ですが、例えば、相手の人がこの時に、心の中に大きな問題を抱えていて、心配のあまり、あなたのことには気が向かなかったのかもしれませんね。このように考えてみますと、自分の気持ちがかなりラクになってきます。認知行動療法では、このように、一つの事象を、いろんな角度から検討して、自分のストレスが少なくなるようにしていくのが特色の心理療法です。では、次回もまた、このような観点から検討してみましょう。







