前回の(その28)では、睡眠障害の原因の一つとして、『睡眠時無呼吸症候群』について考えました。今回からは、もう一度、原点に返って睡眠のことを考えてみましょう。睡眠はもともと、生き物にとっては重要な行動ですので、普通に生活をしていれば、眠れなくなるということはおきないわけです。ですが、現実的には、眠れなくて困っている人は、たくさんいます。私はそういう人の話しを聞く機会が多いのですが、自分でも、なぜ、睡眠障害になったのかを理解していない人がたくさんおられます。
そういう人は、お医者さんに診てもらって、睡眠薬を処方されて服用することになります。しかし、睡眠薬は確かに効果はありますが、睡眠障害の根本的な原因を解決するわけではありませんので、クスリを飲んでいる間はよく眠れるが、クスリをやめてしまうとまた、元の不眠状態に戻ってしまいます。私は個人的な考えとして、睡眠障害は『脳の血流に大きく関係している』、と考えています。脳への血流が多くて脳が興奮状態になれば眠りにくくなりますし、脳への血流が鎮静化して、身体の中での血流が相対的に減少すれば、脳が休まって睡眠状態に入りやすくなります。
ということで、睡眠を良くしようと思えば、まずは、脳の血流に注意することが効果があります。脳の血流が興奮状態になる原因としましては、(1)ストレスなどで脳が興奮状態になる、(2)脳の血液量に比べて、身体の血液量が少ないために、相対的に脳に多くの血液が集まる。そのために、脳が興奮状態になる。という理由が考えられます。そこで、このような状態を改善するには、(1)ストレスを緩和して、脳の興奮状態をなくすか、(2)身体への血液量を増やすことで、相対的に脳の血液量を減らす、という方法が考えられます。
このような考え方で、睡眠障害を改善していくということが、睡眠を良くするには効果があると考えられます。
それでは、次回からは、具体的な方法を考えていきましょう。





