認知行動療法について(その50)

前回の(その49)では、会社で上司にこっぴどく叱られて、うつ状態になってしまった人の場合を想定して、その対策と解決法を考えてみました。今回からは、この問題を認知行動療法の手続きに従って、少し詳しく検討してみましょう。今回からの説明は、認知行動療法の本格的な進め方に従っていますので、認知行動療法を学びたい方にとっては、大いに参考になると思います。
まず、認知行動療法でこのような問題を解決する場合には、『7つのコラムのステップ』を実施します。
【第1のステップ】このステップでは、今、自分が問題だと思っていることについて、その時の状況を詳しく分析して、振り返ります。このステップは、〖状況分析のステップ〗です。今、例に出しているこの人の場合の状況を分析してみましょう。会社で自分がした仕事について、上司にこっぴどく叱られた、という状況ですが、その時のことを詳しく思い出してみましょう。たとえば、自分が提出した仕事について、どのように説明をしたか?を思い出してみましょう。かりに、上司の人が忙しそうにしているところに、「部長、仕事が出来上がりましたので、見て下さい!!」、というような状況だったか? または、上司が不機嫌そうに何かを考えこんているような様子の時に相談をしたのか ? というような、周りの雰囲気にも注意をして思い出して書きます。かりに、次のように書いたと考えてみましょう。〖状況〗自分の仕事が出来上がったので、部長にみてもらおうと思って部長席に持っていって説明をしようとした。そのとき部長は、不機嫌そうに、「なんだおまえか、仕事をみせてみろ!!」、といつもとは違う感じで言われた、というようなふうに記載します。この時には、このような部長の態度は、いつもと変りないような態度だったか、いつもはもっと親切に対応するのに、この日は違ったとか、付帯する事項も書き加えます。
【第2のステップ】このステップでは、上の状況の記述をした時の、自分の気持ちや感情について自己分析をします。たとえば、「心配な気持ちー80%」とか、「怖い気持ちー90%」とか、「不満足な気持ちー70%」とかのように、自分の気持ちをパーセントで表示します。この時には、気持を数字で表すことはなかなか適切にはできませんので、自分の感じたままの様子を書けばいいわけです。
次回では、【第3のステップ】である、〖自動思考というステップ〗について考えてみましょう。この【自動思考】という考え方が、認知行動療法の一番のポイントとなる大事なところですので、詳しく説明をしていきます。

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神戸北ストレス科学研究所

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