前回の(その20)では、会社で上司からひどく怒られたという想定の場面を考えてみました。それでは、今回からは、日ごろ私たちがよく経験しそうなケースを例にして、認知行動療法の具体的な例を考えていきましょう。
たとえば、あなたには、小学5年生のお子さんがいたと仮定します。そして、そのお子さんが、毎日毎日、勉強もせずに、朝から晩まで、スマホでゲームをしていたとします。その時に、あなたは、どのようにお子さんに接しますか ?
ふつうの親であれば、『ゲームばかりしていないで、ちゃんと、勉強しなさい!!』、と怒ることでしょう。しかし、毎回毎回、何回怒っても、子どもは親の言うことを聞かないで、同じことを繰り返すに違いありません。
そうなると、親子の関係はますます悪くなりますし、それ以上に重大なのは、お互いのストレスがだんだんと大きくなるばかりです。問題がこじれにこじれて、挙句の果てには、お互いに口も利かない、ということにもなりかねません。
そこで、認知行動療法的な思考パターンに考え方を変えることが、役に立つことがあります。どっちみち、子どもを叱るばかりでは、何の解決策にもなりませんので、ここで、思い切って、親のほうから作戦を変えてみましょう。
この場合に、もしもあなたでしたら、どのような作戦で子供さんに接しますか ? 少し考えてみて下さい。
次回で、ご一緒に対策を検討してみましょう。