認知行動療法について(その5)

前回で、奥さんに買い物を頼まれたご主人が、帰ってから奥さんに、『お釣りは?』、と聞かれて顔色を変えて怒り出した、というお話しをしました。
何故、ご主人はそんなにも怒ったのでしょうか? それには、ご主人の子供の頃の経験、思い出が深く原因していたのです。
というのは、ご主人は子供の時に母親に買い物を頼まれて買いに行きました。帰ってから、母親は、すぐにはお釣りを返してとは言わなかったので、そのまま、お小遣いとして使ってしまったのです。
ところが、数時間した後になって、『おまえ、お釣りはどうしたの?』、と聞かれて、使ってしまったことを伝えたら、母親がひどく怒って、『おまえは、お釣りを盗んだんだよ!!』、と厳しく責めたのです。
このような経験があったので、ご主人にすれば、『お釣りは?』、と聞かれることは、イコール、『あなたはお釣りを盗んだんでしょう!!』、という意味にとってしまったのです。
つまり、ご主人の頭の中では、『お釣り=盗っ人』、という意味になっていたわけです。
もう皆さまはお気づきのことと思いますが、このようなことは、普段の生活の中では、よくあることの一つです。
この時の『お釣り=盗っ人』というように、頭の中で自然に結びつけてしまう、というこのような思考を、認知行動療法では、『認知』と言っています。認知行動療法では、このような思考のパターンに気付くことによって、自分へのストレスを和らげようと練習をしていきます。

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神戸北ストレス科学研究所

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