ストレスについて(その35)

前回の(その34)では、『諸行無常』という言葉について考えてみました。これは、もともと、仏教的な考え方から出てきたもので、物事は一つのところにとどまっていることはなく、常に変化していき、移り変わるものである、という教えです。皆さまも日ごろ経験しておられると思いますが、安定した環境にいますと、その条件がいつまでも続いてほしい、変わってほしくない、という思いがしてきます。しかし、逆の方向から考えてみますと、もしも悪い環境にいれば、もっと良くなってほしいな、と思います。つまり、いいほうに変化してほしいと思うわけです。
ですが、世の中そうはいいことばかりは起こりません。それどころか、悪いほうに移っていくのが多いことでしょう。
ストレスという観点からみてみますと、『悪いことから良いほうに変化する』のは、余り大きなストレスにはなりません。ストレスになるのは、『良いほうから悪いほうに移っていく』ことが大きなストレスになってきます。良いほうから悪いほうに変化する場合には、『今よりは悪くなってほしくない』、という願望が心の中に生まれてきます。そして、この願いが満たされないと、失望して大きなストレスになる可能性があります。ですので、ひごろ、あまり良いほうに変化するようにという希望を持たないで、いつても悪いほうに変わるかもしれない可能性があるんだ、という気構えをしておくとストレス対策になります。
といいますと、なにか、後ろ向きな考え方で毎日を過ごさなくてはいけないような感じがしますが、ストレスを弱めるという観点からは大きな対策になります。次回では、もう少しこの問題を取り上げてみましょう。

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神戸北ストレス科学研究所

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