睡眠障害(不眠症)について(その17)

前回の(その16)では、ある患者さんが不眠症で、長い間睡眠薬を飲んでいましたが、一晩の自律訓練法の練習で、その日をさかいにして、睡眠薬が要らなくなった、という例を紹介しました。この例は、極端な症例ですので、誰にでもこんなことがおきるとは言えませんが、そういう可能性は誰にでもある、という一例としてご紹介しました。
それでは今日は、自律訓練法の次のステップに進んでいきましょう。前回までで、両方の腕に、温かい感じを感じるという練習をしました。その次は、脚に重たい感じを感じる練習です。両腕に重たい感じを感じておいてから、次には、右脚に重たい感じを感じる練習をします。何気なく右脚に意識を向けておいて、『右脚が重たい、右脚が重たい』、と数回繰り返します。この場合にも、腕の時と同じように、意識をぎゅーーつと右脚に向けるのではなくて、なんとなく、それとなく、右脚に意識を向けるという態度が重要です。
右の脚に重たい感じが感じられるようになったら、今度は左脚に意識を向けて、『左脚も重たい』、と繰り返します。この時に、『あし』を『脚』と書きました。これは、ふつう私たちは、『足』というと、たいがいの人は、ひざから下か、足首から下の、狭い範囲を意識するからです。自律訓練法では、脚の全体を意識してほしいので、脚という声掛けをします。声掛けと言いましても、実際に声に出すわけではなくて、心の中で、右脚が重たい、とか、左脚が重たい、と繰り返せばいいのです。
そして次には、『両脚が重たい、両脚が重たい』、と数回繰り返します。
これで、腕と脚の、重たい感じの練習が終わります。この練習を、『腕と脚の重感練習』、とよんでいます。そして、『重たい』、と声を掛ける時の言葉を、『重感練習の公式』、とよんでいます。
それでは次回も続きを練習致しましょう。

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