前回の(その11)では、寝る前の20分~30分の間に、ストレッチをすると睡眠が良くなるというお話しをしました。何故、ストレッチをすると睡眠が良くなりやすいかにつきましては、次のように考えられます。ストレッチをすることで、全身の筋肉が緩みます。筋肉が緩んでくると、当然、身体の血流が良くなってきます。身体の血流が良くなりますと、血液が身体の方に行きやすくなりますので、身体全体としましては、身体の他の部分である、脳などの血液の量が、相対的に少なくなってきます。そして、脳の血流が少なくなれば、脳が鎮静化しやすくなりますので、その結果として眠りやすくなる、ということになります。
これと同じことが日常ではよく起きています。日中にしっかりと身体を動かして、少し疲れたくらいにしておきますと、夜の睡眠は良くなることは、私たちは日ごろよく経験することです。しかし、日中の運動量が足りないと、身体の中の血流も悪くなって、夜眠りにくい、ということがおきてきます。
次に眠りにくくなる原因の一つは、脳の興奮でしょう。では、脳の興奮を鎮静化するには、どのような方法があるでしょうか ? それには、リラックス法が効果があります。リラックスするといいましても、頭や心をリラックスするのではありません。眠りやすくするためにリラックスすべきなのは、脳ではなくて、身体をリラックスさせるのです。身体をリラックスする方法はいくつか知られていますが、ここでは、『自律訓練法』について、次回から少し詳しくご説明していきましょう。