ストレスについて(その9)

前回の(その8)では、ストレスと痛みとの関係についてお話しをしました。今回は、具体的に例を挙げてご説明していきましょう。最近よく耳にすることですが、『どこか身体が痛くなって、痛み止めの薬を飲む。だけど、痛み止めの薬が効かない。その理由は、脳が痛みを覚えているから、薬が効かないのだ』、という説明です。
私たちは、たとえば、腰痛がでたとしたら、まずは、整形外科のお医者さんに診てもらいます。そして、たとえば、『あなたは、椎間板ヘルニアです。だから腰が痛むのです。牽引と電気で治療をしましょう。』、と言われたことはありませんか ?
しかし、この説明をお聞きになって、少し、おかしいと思われませんか ? と言いますのは、腰が痛くなってから検査をしてもらった結果が、『腰椎がヘルニアで、軟骨がつぶれているから痛いんです』、という説明ですが、では、その軟骨のヘルニアは、腰が痛くなった時に現れたのか、はたまた、腰が痛くなる前から、ヘルニアがあったのかは、この検査ではわかりません。
ということは、お医者さんは、『痛くなってからレントゲンを見たら、ヘルニアがあった。だから、痛みの原因は、このヘルニアに違いないだろう』、という予測をしたにすぎません。言い換えてみれば、火事が起きた時に、近くで見ていた人が、『あなたは、近くにいるから、あなたが放火したに違いない』、と言われているようなものです。
じつは、一部のお医者さんは、椎間板ヘルニアがあっても、実際に痛みが出るのは、全体の30%くらいしかなくて、残りの70%は、ヘルニアが原因ではなくて、他の原因があるから痛いんだ、と説明しています。そして、げんに、ヘルニアがあるままでも、痛みが治っていく場合が多いのです。
このようなことは、『脊柱管狭窄症』や、『すべり症』と言われた場合にも、狭窄症やすべり症の症状は取れなくても、痛みが治ってしまうことがあることから、本当の原因は、狭窄やすべりではないことが分かります。
では、痛みの本当の原因は何なんでしょうか ? それが、脳が覚えている痛みです。では、脳が覚えるとはどういうことでしょうか ? そして、治すにはどうしたらいいかについて、次回から考えてみましょう。

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神戸北ストレス科学研究所

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