前回の(その7)では、ストレスが睡眠に与える影響について考えました。睡眠につきましては、別の項目でご説明することにして、ここでは、ストレスについて続けて考えていきましょう。
ストレスの予兆として身体に現れる症状には、睡眠に続いて、胃腸の不調が良く現れます。ご存知と思いますが、おなかの調子は、ストレスと深く関係していますので、よく聞く話しとして、『学校で嫌なことがあるような朝は、子供が朝家を出る時に、おなかが痛い!!』、と言って休んでしまう、というような例があります。これは、子供が仮病を使っているのではなくて、ストレスが腹痛の原因となって、症状として現れているわけです。
ご存知のように、胃腸の働きは、自律神経系にコントロールされていますので、ストレスがかかって自律神経系が乱れますと、おなかが痛い、という症状になって表面に現れてくるわけです。
ストレスが、腹痛のように、痛みとして現れることはよくみられます。たとえば、頭痛、肩や首の痛み、場合によっては、腰痛もよくみられます。腰痛とストレスの関係は、『ビックリして、腰を抜かしてしまう!!』、という古くからのことわざがあるくらいに、よく知られています。
ここで重要なことは、多くの人は、『痛みとストレスとを結びつけて考えることができない』、ということです。私たちは、往々にして、痛みは、骨とか筋肉とか、靭帯などの、骨格・筋の症状として捉えがちですが、じつは、ストレスと痛みはとても深い関係がある場合が多いのです。
次回では、痛みとストレスの関係について考えてみましょう。
