認知行動療法について(その16)

前回の(その15)までで、『白黒つけないと気がすまない。白でもなく黒でもない、グレーゾーンは認めない』、という考え方のタイプの例を考えてみました。今回は、〖2〗ある一つのことが起こった時に、そのことが、物事のすべてを表しているかのように受け取ってしまう。つまり、一事が万事と考えてしまう考え方について考えてみましょう。これも、認知行動療法のケースとしてよく見かける一つです。
日ごろ私たちがよく経験することです。
例えばの例として、サラリーマンの人が、職場で、上司から、仕事上のミスについて、こっぴどく叱られたとしましょう。その人は、あるミスをしたために、上司から、『そんなミスをするのは、君にはまったく能力がないからだ。サラリーマンとして失格だ!!』、と叱られたとします。
そのようなミスは、いつなんどき、誰でもがしてもおかしくないミスでしたので、普通に考えれば、そのために、自分の全能力についてまで責められるべきではないのですが、気持が落ち込んでいたために、『そうなんだ!! 自分は、サラリーマンとして失格なんだ !!』、と考えてしまうことがあります。
しかし、ミスの大きさから考えれば、別に大したことではないわけですから、『サラリーマン失格だ!!』、とまでは考えなくてもよかったのですが、問題は、このような人は、他のいろんな場面でも、『自分は失格だ!!』、という具合に、問題を悪いほうに拡大解釈してしまうクセがあるのです。
それでは、こういう場合には、認知行動療法では、どのように対処したらいいのかについて、次回で考えてみましょう。

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神戸北ストレス科学研究所

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