認知行動療法について(その6)

前回の(その5)では、『お釣りに対する思い込み』について考えてみました。あの話しは、そうどこにでもある話しとは思えませんので、もう少し、ひごろ、私たちがよく経験しそうな話題を想定してみましょう。
家族4人の家庭で、ある時、食事の後で急に奥さんが出かける用事が出来て、ご主人に、『あなた、悪いけど台所の後片づけをしておいてくださいネ。お願いします。』、と頼んで外出したとします。この時、ご主人はいつも、あまり、言うことを聞いてくれなくて、頼んでもなかなか実行してくれない場合が多い、と仮定しておきましょう。
さて、奥さんが帰宅して、すぐに台所を覗いてみると、案の定、台所は出かけた時のままで、後片付けは出来ておりません。そこで奥さんは、『またいつものように、頼んだことをしてくれていない!!』、と思って、頭から湯気を出さんばかりに怒りました。
ところが、現実は、ご主人は後片付けをしようと思って台所に入ったのですが、急に腹が痛くなって、2階の部屋にあがって寝ていたのです。そんなこととはつゆ知らずに、奥さんは腹を立てながら後片付けをして、ご主人は2階で野球のテレビでも見ているんだろう、と思って見に行きもせずに、そのままにほうっておいたのです。
その結果はと言いますと、ご主人は盲腸炎で、その後、何時間か後になって、やっと、救急車を呼んで病院に搬送したそうです。
つまり、この場合には、ご主人に対しての、奥さんの思い込みが災いして、対応が遅れた、ということになります。
このように、私たちは、『思い込み』によって、考え方が支配されたり、対応が変わったりすることがあります。いつも、適切な対応をするように、自分の考え方を整理しておきたいものです。

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神戸北ストレス科学研究所

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